メダリストプラスは、2週間交換型使い捨てソフトレンズです。現在でも、根強いファンがいるので、ずーっと売れ続けていますね。日本でもっとも長く売れ続けているロングセラーな使い捨てレンズかもしれません。
もともとは、「メダリスト」という商品でしたが、マイナーチェンジを経て「メダリストプラス」へと変わりました。変わった内容はというと、「色」です。昔は、無色透明のレンズが主流だったのですが、レンズケース内の確認がしやすくなるように、各社がレンズに薄いブルーを着色するようなりました。その流れからメダリストも薄いブルーの着色をするようになり、「メダリストプラス」へと名前が変わったと記憶しています。(スペックでの変更は無かったように思います。)
色が変わったからと言って、売れ続ける要因にはならないのですが、メダリストプラスには、他のレンズには無い特徴があります。その特徴を順番に上げていこうと思います。
メダリストプラスのスペック
メダリストプラスのスペックをここでご紹介しておきます。
BC 8.40/8.70/9.00 P-0.50~-9.00 DIA 14.0
中心厚 0.035mm 含水率 38.6%
酸素透過率 27.1 グループⅠ
BC(ベースカーブ)がなんと!3種類もあります。使い捨てレンズで3種類ものBCを持っているレンズは、このメダリストプラスしかありません。ほぼ、すべての角膜曲率に対応できるので、処方する側にとって使いやすいレンズです。ただ、度数範囲はちょっと狭いです。
中心厚は、わずか0.035mmです。これは最薄でしょう。発売された当初は、低含水素材が主流だったため、酸素透過性を上げるのに、厚みを薄くする必要がありました。当時、『超薄型』を各社が競っていた時代ですので、メダリストプラスは、その中で勝ち抜いてきたレンズなんですね。
グループⅠのカテゴリーに入るレンズですので、非イオン性低含水素材となります。グループ分けについては、詳しく書いている記事がありますので、そちらをご参照ください(コンタクトレンズの性格)。この素材はコンベンショナルレンズ(使い捨てじゃないレンズ)で、現在でも使用されている素材です。信頼度はありますね。近年では、カラコンに比較的多く利用されていたり、低価格のワンデーに利用されていたりします。ちょっと前の素材ではありますが・・・。
意外なロングセラーの秘密
このメダリストプラスが、なぜこんなにも長く売れ続けているのか?ちょっと私なりに考えてみました。
・昔から使っていたから。
・調子が良かったので特に変える理由が見つからなかった。
・どこでも取り扱っていたので買いやすかった。
・割と安い。
・ネットでも購入できる。
・ブリスターパックが大きいのでレンズを取り出しやすい。
と、ぱっと考えただけでこれくらい出てきました。長く売れ続けている理由がこの記事を書きながら見えてきましたよ。使い捨てレンズ創生期から、ずっとある商品で取扱施設も多い、そしてネット購入もできて便利。また、レンズが入っているブリスターパックに水がたっぷり入っていて取り出しやすい。レンズそのものの完成度も高いので、調子よければ変える必要性を感じない人も多い。と、結構ありますね。いいところ。
ネット流失防止策がなされているレンズが増えている中、昔からあるメダリストプラスは割と自由に購入できて、しかも値段もリーズナブル。こりゃあロングセラーになりますよね。コンタクト界のロングテール商品筆頭ですよ。
ずば抜けた性能を持っているわけでもないけど、どこにでもあって買いやすい。実はこれがロングセラーの秘密なんだろうなと思いました。
海外では「ソフレンズ38」って名前です。
メダリストプラスを海外で買おうとすると、そもそもメダリストって商品がありません。どうやら日本だけで使われている名称のようです。世界的には「soflens38」です。日本では商標登録の際、この名称がすでに使われていて利用できなかったとかあるのかもしれませんね。余談ですが、ボシュロム新製品の「アクアロックス」は海外では「ULTRA」っていう名称です。どうやら「ULTRA」っていう名称が日本ではNGだったようで、やむなく「アクアロックス」になったという経緯があったようです。理由は違えど、メダリストプラスもそんな感じなんでしょうね。
また、使用期間は国によっても違うようです。中国ですと、同じメダリストプラス(ソフレンズ38)でも、片眼1枚の使用期間は1ヶ月です。日本は2週間ですよね。ところ変われば、使用期間も変わるようです。
ということで、海外でメダリストプラスを買いたい方は「ソフレンズ38」ていう名前で買ってくださいね。ちなみにBCが870しかないところもあるようですよ。
今回はメダリストプラスをちょっと詳しく調べてみました。参考になれば幸いです。
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