「コンタクトレンズを使うと視力が落ちる」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか?実際に、コンタクトレンズを使い始めてから視界がぼやけたと感じ、不安になることもあるかもしれません。
しかし、コンタクトレンズ自体が視力低下を引き起こすという医学的な証拠はありません。ただし、誤った使い方をすれば目に負担をかけ、視力の低下につながることがあります。
では、視力が低下する原因とは何なのか?コンタクトレンズとの関連性や予防策について詳しく解説します。
視力が低下する主な要因
視力の低下は、さまざまな理由によって引き起こされます。代表的なものを見ていきましょう。
屈折異常(近視・遠視・乱視)
- 近視:目の構造上、遠くのものがぼやけて見える状態。眼球の奥行きが長いため、光が網膜の手前で焦点を結んでしまい、遠くのものがはっきり見えません。遺伝的要因や長時間の近距離作業が関係していると考えられています。
- 遠視:近くのものが見えづらくなる状態。眼球の奥行きが短いため、光が網膜の後方で焦点を結んでしまい、特に近距離のものを見るときに目の調節機能に負担がかかります。遠視の度合いが強いと、遠くのものも見えづらくなることがあります。
- 乱視:角膜や水晶体の形が不均一で、視界がゆがんだりブレたりする状態。通常の角膜は球面に近い形をしていますが、乱視のある人は角膜のカーブが不均一なため、光が一つの焦点に結ばれず、ぼやけたり二重に見えたりすることがあります。
加齢による変化
年齢とともに水晶体の柔軟性が低下し、ピント調節が難しくなることで「老眼」の症状が現れます。
デジタル機器の使用による負担
スマートフォンやパソコンの長時間使用は、目の疲労やピント調節機能の低下を引き起こす可能性があります。
目の病気
白内障や緑内障、網膜剥離などの疾患によって、視力が低下することがあります。
コンタクトレンズが視力低下に影響を与えるケース
コンタクトレンズを正しく使っていれば視力低下を引き起こすことはありませんが、不適切な使用は目の健康に悪影響を及ぼします。
合わない度数のレンズを使用する
適切でない度数のレンズを使い続けると、目の負担が増し、眼精疲労を引き起こすことがあります。定期的に視力をチェックし、適切なレンズを使用しましょう。
フィットしないレンズを使う
ベースカーブや直径が合わないレンズを使うと、目に負担がかかり、視力に悪影響を及ぼす可能性があります。
長時間の装用
長時間の装用は目の乾燥や酸素不足を引き起こし、視力の低下につながることがあります。
使用期間を守らない
コンタクトレンズには推奨される使用期間があります。期限を超えて使うと、レンズの性能が低下し、目にダメージを与えることも。
ケア不足
レンズを適切に洗浄しないと、細菌が繁殖しやすくなり、感染症のリスクが高まります。
視力低下を防ぐためのポイント
視力を守るためには、次のことを意識しましょう。
定期的な眼科受診
視力や目の健康状態を確認するために、定期的に眼科を受診しましょう。3ヵ月に1回の検査が理想的です。
適切なコンタクトレンズを選ぶ
眼科で測定したデータをもとに、自分に合ったレンズを選びましょう。
装用時間の管理
できるだけ長時間の装用を避け、家ではメガネを併用するなど工夫しましょう。
正しいケアを行う
レンズを清潔に保ち、こすり洗いやケースの定期交換を徹底しましょう。
まとめ
コンタクトレンズが直接視力低下を引き起こすことはありませんが、誤った使用が目に負担をかけることはあります。視力を守るためには、適切なレンズの選択、正しい使用方法、定期的な眼科受診が欠かせません。少しでも視力に変化を感じたら、早めに眼科を受診することをおすすめします。
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