「ハードからソフトに変えたい」っていう希望はよくありますが、「ソフトからハードに変えたい」っていう希望はあまりないです。でも、たま~にいらっしゃいます。その理由というのが、
- コストが安くなるから
- 以前使ってたハードの方が良かったから
- 乱視が強いから
- 親がハードにしなさいと言ったから
といったものです。
では、これらの理由をひとつづつ詳しく説明したいと思います。
◆コストが安くなるから
これは正解です。
ハードレンズの寿命は、2年半から3年程度あります。そのため、ランニングコストも安いです。ただ、紛失とか破損がなかった場合に限ります。ハードレンズは、人によっては10年持ったりすることがあります。これほど長く持つ理由としては、レンズ素材が水分を含まないため素材そのものが劣化しにくいというのが挙げられます。ただ、とっくに寿命がきているのにもかかわらず、特に違和感がないので、という理由で半ば強引にもたせている方もいます。
最近は、メニコンか3ヶ月使い捨てのハードレンズである「クロスシー」というのを発売しています。ハードレンズにも使い捨てというスタイルが出てきました。昔では、考えもつかなかったですね。
ただ、ハードレンズが初めての方は、異物感が半端ないです。私の経験上、9割の方が断念します。ハードレンズ特有の眼の上を動く感覚とか、まぶたへの刺激が耐えられない方が多いです。でも、中には、10分程度装用していると慣れてくる方もいます。一度入れてみないと分からないかもしれません。
◆以前使ってたハードの方が良かったから
ソフトレンズに変えたけど、やっぱりハードレンズが良かったので元に戻したっていうパターンですね。人によって戻した理由は様々です。コスト、見え方、乾燥、取扱い、と多岐にわたります。ソフトレンズをつかった上での判断ですので、納得度は高いでしょう。
◆乱視が強いから
乱視用のソフトレンズに変えたけれど、やっぱりハードレンズのほうが見え方が良かった。こうした理由で戻すことがあります。乱視用ソフトは、軸の安定が必須条件です。レンズが一定の方向で安定しないと、乱視矯正がうまくいきません。
一方、ハードレンズは乱視用ソフトのように軸というものが必要ありません。なので、軸安定を考えなくてよいので、見え方が安定しているのです。
ハードレンズが乱視を矯正できる理由は、その形状保持性と涙液レンズ効果にあります。
1. 形状保持性
ハードレンズは、角膜の形状に関係なく自分の形を維持します。これにより、乱視がある角膜(歪んだ形)でも、レンズの表面が滑らかな球面を作るため、視力が矯正されます。
2. 涙液レンズ効果
ハードレンズと角膜の間には涙が溜まります。この涙の層が、角膜の歪みを補正し、実質的に角膜の形をより球面に近づける役割を果たします。結果として、乱視の影響が軽減され、クリアな視界が得られます。
この2つの要素によって、ハードレンズはソフトレンズよりも乱視矯正に優れているのです。
◆親がハードにしなさいと言ったから
あるあるです。
本人は、使い捨てレンズにしたいのに、親自身がハードレンズをつかっているので、「ハードにしろ」と言われた。っていうのはよくあります。コスト面での問題もあるのでしょう。「兄弟がハード使っているから。」というのもあります。コンタクトが初めてで、ハードレンズっていうのは、結構しんどいです。涙が出て、異物感が半端なくあります。目に大きなゴミが入るようなんものですので。
でも、昔、ハードレンズが全盛期だったころは、みんなこのしんどい思いをしながらも頑張って慣らしていました。かくいう、私も初めてのコンタクトはハードレンズでしたね。でも、結局慣れなくて、ソフトに変更しました。
今や、コンタクトレンズの市場は、9割以上がソフトレンズです。ハードレンズも粘り強く売れていますが、需要は年々減少傾向にあります。無くなることはないと思いますが、製造メーカーが少なくなっていくことでしょう。
紛失した時のダメージを考えると、使い捨てレンズのほうが安心です。年間コストも以前ほど高くありません。おすすめの方法としては、まずワンデーで1か月ほど試してみる。勝手が良ければ、2W交換タイプも検討してみる。という方法が良いと思います。コストは2W交換タイプの方が安いですが、週3日程度の使用であれば、ワンデーのほうが面倒くさくなくて楽です。使用頻度に合わせて選択してくださいね。
以上、参考になれば幸いです。
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